
連載:リーパーすみこ先生に聞く、アメリカの教育事情
アメリカの幼稚園の⽣徒達

- リーパーすみこ先生プロフィール
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アイオワ州立大学大学院ジャーナリズム学部修士課程卒業。アルバカーキー市の公立小学校で図書館司書として20年勤務。現在も、読み聞かせ活動を行なっている。
著書:『ライブラリアン奮闘記』(径書房)、『えほんで楽しむ英語の世界』(一声社)『アメリカの小学校ではこうやって英語を教えている』『アメリカの小学校では絵本で英語を教えている』(径書房)『アメリカの小学校に学ぶ英語の書き方』(コスモピア)『アメリカの幼稚園ではこうやって英語を教えている』(径書房)『年齢なんて単なる数字よ!』(Amazonペーパーバック)。
4回にわたって、アメリカの幼稚園の⽣徒達の授業の様⼦、そしてリタラシイ教育、⼦ ⾳の強調についてをレポートさせていただきました。今回は最終回ですので、もう⼀度 ざっと復習させていただきます。

⼀つ、お伝えしておきたいことは、先⽣のアシスタントが幼稚園の各クラスにいます。 上記の⼥性はグランマと呼ばれるのには若いのですが、⽣徒達はグランマと呼んでいた アシスタントです。担任の先⽣が、カウンセラーにある⽣徒についての相談に⾏く、あ るいは校⻑に話があるときなど、教室を出て⾏きます。その間、クラスの14⼈の⽣徒 達は、このアシスタントの⼿に任せられます。その他、彼⼥は、コピーを取る、テスト の採点、⽣徒達のしつけなど、⾊々と忙しそうでした。


教師は、⽣徒達をカーペットが引いてある⼩さなエリアによく呼び寄せて 絵本の読み聞かせをします。全体の⽣徒達の顔を間近に⾒ながら教えた⽅が、⽣徒の反 応を⾒るのに良いからでしょう。そのカーペットがちょっと⾯⽩いのです。⽣徒⼀⼈⼀⼈が座れるような四⾓から成り⽴っています。その四⾓の中にはペンを持っている鶏がいます。そこで「hen とpen 」のライミングの⽂字が書かれています。梨を⾷べている熊ちゃんの四⾓の中には「bear とpear 」とライミングカーペットになっています。
Story Elements(ストーリーエレメント):物語の構成について教師は、カーペットに座っている⽣徒達に絵本を読んだ後、質問をしながら、もう⼀度物 語について話し合います。全体をStory Elements(物語の構成)と題して、今読んだ絵 本を分析します。
物語の構成の4点は:
•まず、登場⼈物について(characters)を話し合います。
•それから、物語の背景、設定(setting)についてを話し合います。
•そして、物語にはどんな問題があったか。問題があったからからこそ、絵本のス トリーが⽣まれたのだと説明します。
•そして、その問題をどのように解決したかを話し合いします。

また、読んだストーリーについてを以下のように分析していくこともあります。

1)Characters: (出てくる⼈物や物など)
どんな⼈や、物、動物などが出てきたかしら?
2)Setting: (この物語はどこで起こったのかしら)
3)Problems: この物語の主⼈公は初め、どのように感じたかしら?
何が問題だったのかしら?
4)Solution: どんなふうに解決に⽴ち向かっていたのかしら?
このように、今、読んだ物語を分析することによって、⽣徒達は理解⼒を深めます。
これらのテクニックをガイデッド リーディングと呼び、私の書『アメリカの⼩学校では絵本で英語を教えている ガイデッドリーディング編』(径書房)で詳しく説明させていただいております。
他には、出てきた新しい単語についての説明、その単語の⾳を出して、発⾳してみる、初めの⾳を空中に指で書いてみる、皆同じモーションかどうかを確認します。

それから、机に戻り今習った単語の⼀番初めの単語の練習です。 Dの⾳を出して読みながらクレヨンでなぞっていきます。 このように、読んだ物語に出てくる単語を習っていきます。
また、幼稚園の場合、Bill Martin Jr 作、Erick Carle イラストによるBrown Bear, Brown Bear What Do You See?などのリズムの良い絵本は、どんどん⾳読させ、暗記させ、⽂章を作らせたりします。
また、幼稚園の教室には所狭しと、各⼦⾳の⾳についてのポスターが貼られています。


学年が上がると、リーディングは5、6⼈ぐらいのグループに分かれます。先⽣がいないグループは、⽣徒の⼀⼈がリーダーになります。

(⼩さいグループに分かれるリーディングの時間)
昨年、私は、友⼈のキャシイさんとそのお孫さんのフィオナちゃんと3⼈で「結び⽬」と呼ばれる図書館司書の⽅達にウエッブ プレゼンテーションをいたしました。おしゃまなフィオナちゃんの”I Like Me!” などをお楽しみいただけると思います。
また、キャシイさんは、アメリカは移⺠の国だから、どんどん移⺠を歓迎した⽅が良い ということを発⾔していました。アドレスは以下の通りです。
https://m.youtube.com/watch?v=60yU-IqPFEs&list=LL&pp=gAQB0gcJCYECa94AFGB0
私が住むアルバカーキー市の図書館では”Read To Dogs”というプログラムがありました。 ⽝に本を読んであげましょうというアイデアです。私が⼀⽣懸命本を読んであげても、⽝はあまり興味を⽰さないで、グーグーと寝ていました。ちょっとがっかり!
市の図書館では司書による幼い⼦ども達への読み聞かせの会が週に⼀度催され、⼈気をはくしています。
こうしてありとあらゆる機会にリード アラウドの機会があるのは嬉しいことです。

(地元の図書館でのRead to Dogs プログラム)

ガイデッド リーディングと⼦⾳の⾳の出し⽅の私の書です。