「小学校英語教科書シンポジウム」レポート

小学校英語教科書シンポジウム その1 開会

投稿日:2021.5.13

2021年3月29日、草苑保育専門学校(東京都豊島区)で、東京書籍と光村図書出版の小学校英語の教科書著者である、アレン玉井光江先生と小泉仁先生を招いて、新英語教育研究会(http://www.shin-eiken.com)主催による「東京新英研春の特別研究集会」が行われました。トピックは主にふたつ。ひとつ目は、小学校で教科としての英語教育が始まったことを背景に、いまどのような小学校英語教科書ができ、どのように中学校・高校に連結し、どのような英語教育が行われているのかという現状把握。ふたつ目は、新指導要領の3つの柱を意識した各教科書のねらいを知るための分析でした。



「小学校英語教科書シンポジウム」の構成は以下のとおりです。


【構成】
・小泉仁先生(東京家政大学教授・光村図書出版 “Here We Go”執筆者)の話
・アレン玉井光江先生(青山学院大学教授・東京書籍 “NEW HORIZON Elementary ” 執筆者)の話
・瀧口優先生(白梅学園短期大学教授)による教科書分析
・参加者からの質疑応答
・久保野雅史先生(神奈川大学教授)によるシンポジウム総括


※教科書会社が光村図書出版と東京書籍の2社であるのは、すべての教科書を取り上げるのは時間枠の中で不可能だったためと、東京都での採択が多くかつ新英語教育研究会から連絡が取れそうな会社を選んだためで、会として2社を推薦しているという訳ではないとのこと




開会のあいさつが安野寿美先生(江戸川区立篠崎第※教科書会社が光村図書出版と東京書籍の2社であるのは、すべての教科書を取り上げるのは時間枠の中で不可能だったためと、東京都での採択が多くかつ新英語教育研究会から連絡が取れそうな会社を選んだためで、会として2社を推薦しているという訳ではないとのこと二中学校[当時])によって行われ、司会進行の安部直子先生(武蔵野市立第六中学校)から、会場の20名とオンラインの30名ほどで合計50名を超える参加があることが告げられ、シンポジウムの趣旨の説明がなされました。

以下、全体の流れに沿ってそれぞれの発言の内容をご紹介します。


【安部直子先生】

このシンポジウムは(小学校と)中学校・高校への実践へ繋がっていきます。シンポジウムは新英語教育研究会(http://www.shin-eiken.com)の伝統行事のひとつで、昔はよく中学校の英語教科書をみんなで分析していました。新英語教育研究会には著者の方々とともに手をとりあっていくという文化があります。それは本日のシンポジウムのテーマでもあります。

小学校でも教科としての英語教育が始まりました。日本の英語教育は大きな転換期にあり、中学校・高校・大学の英語教育も変わらざるをえないときにきています。いま、どのような小学校英語教科書ができ、またどのような英語教育が小学校で行われており、さらにどのように中学・高校に連結していくのか。各教科書のねらいを知って、また新しい指導要領の3つの柱(1.知識及び技能 2.思考力、判断力、表現力等 3.学びに向かう力、人間性等)を意識して、みなさんとともに小学校の英語教科書や授業について知り、そして考えていけたらと思います。本日の一番の大きなテーマとしては「人間形成に役立つ英語教育はどうあるべきか」を掲げています。



次回以降は

・小泉仁先生(東京家政大学教授・光村図書出版 “Here We Go”執筆者)の話
“Here We Go!”の組み立てにこめた想いなどについて

・アレン玉井光江先生(青山学院大学教授・東京書籍 “NEW HORIZON Elementary ” 執筆者)の話
“NEW HORIZON Elementary”のプログラムにこめたねらいなどについて

・瀧口優先生(白梅学園短期大学教授)による教科書分析
指導要領の目標から見た教科書と提案

・参加者からの質疑応答 前半
小中学校においての語彙文法習得について

久保野雅史先生(神奈川大学教授)によるシンポジウム総括
小中学校英語教科書シェア、小中高の接続について

という流れになっています。おたのしみに。